ラフロイグ銘柄図鑑 【シングルモルトウイスキー】
ラフロイグ
Laphroaig
アイラの王、英国王室が愛した個性派の至宝
強烈なピート香と薬品様のヨード香で世界を魅了する伝説のシングルモルト
英国王室御用達の栄誉
チャールズ国王が愛したウイスキー
1994年、皇太子時代のチャールズ国王(現英国王)から品質の高さと香味の豊かさが認められ、シングルモルトウイスキーとして初の王室御用達許可証(ロイヤルワラント)を下賜されました。
これは単なる商業的な認定ではなく、英国王室の個人的な愛用品として認められた証であり、ラフロイグの卓越した品質を物語る最高の栄誉です。現在でもチャールズ国王は直接蒸留所を訪問し、買い付けを行うほどの愛好家として知られています。

209年の歴史と伝統
1815年 – 創業
ドナルドとアレクサンダーのジョンストン兄弟により創業。もともとマッケイブス氏族に属していた兄弟は、ジャコバイト蜂起の失敗後に名前を変え、アイラ島のラフロイグ地区に1000エーカーの土地を取得して牛の飼育と並行してウイスキー造りを開始しました。
1826年 – 政府公認
蒸留所が正式に政府公認を取得。この頃から本格的な商業生産が始まり、ラフロイグの名声が徐々に広まっていきました。
1836年 – ドナルドの単独経営
ドナルド・ジョンストンが兄アレクサンダーの経営権を買い取り、蒸留所の単独オーナーとなる。この時期にラフロイグの個性的な製法が確立されました。
1994年 – 王室御用達
チャールズ皇太子(現国王)からシングルモルトウイスキーとして初のロイヤルワラントを下賜。世界的な名声を確立しました。
アイラ島の特殊な環境

Islay
ウイスキーの聖地
スコットランド西岸沖に位置するアイラ島は、8つの蒸留所を有する「ウイスキーの聖地」として知られています。海に囲まれた環境が、独特の風味を生み出します。
特殊なピート
アイラ空港近くの湿原から採掘される専用ピートには、ツツジ科のヘザーとコケ類、そして海藻が含まれており、他の地域では得られない独特のヨード香と薬品様の香りを生み出します。
独特の製造工程
フロアモルティング – 伝統の15%
ラフロイグの最大の特徴は、現在でも15%の麦芽を蒸留所内でフロアモルティングしていることです。残りの85%は近くのポートエレンに委託していますが、この15%が決定的な差を生み出します。
ピート成分を含んだ水をたっぷり含ませた大麦を床に広げる
職人が8時間おきにすき返して発芽を促進
キルンで30時間かけて乾燥(最初12時間はピート燻製)
フェノール濃度
極めて高いフェノール値に加え、数値では計れない独特の風味成分
独特の蒸留システム
ポットスチル構成
3基
4基
7基
アイラ島の蒸留所の中で最も小型のポットスチル。銅のくびれたランタン型再留器の形状が、独特のスモーキーな香味特性に大きな影響を与えています。
特殊なカット技術
ニューメイクのカットが通常より遅いタイミングで行われ、最後の方にカットされる高いフェノール値の蒸留液を取り込んでいます。
バーボン樽による熟成
ラフロイグの貯蔵樽のほとんどがバーボン樽の1stフィル。つまりホワイトオーク材で1度だけバーボンの熟成に使用された樽で、最初に樽詰めされたもののみを使用します。
樽の種類
主体
一部
実験的
主要ラインナップ
ラフロイグ 10年
テイスティングノート
爽快なピート、磯の香り、薬品様のヨード香
滑らかでオイリー、バニラとスパイス
海藻を思わせるユニークで心地よい後味
ラフロイグのエントリーモデルでありながら、ブランドの特徴を余すことなく表現した代表作。強烈なピート香と薬品様の香りが「好きになるか嫌いになるか」の二極化を生む個性派。
クォーターカスク
特徴
通常の1/4サイズの小樽で追加熟成
樽との接触面積増加で濃縮された味わい
ピート香にバニラとココナッツが調和
小樽による追加熟成で、10年よりも濃縮された複雑性を獲得。ピートの強さは保ちつつ、より滑らかで深みのある味わいを実現。
セレクトカスク
コンセプト
厳選された複数の樽タイプをヴァッティング
バランス重視、アクセシブルな仕上がり
ラフロイグ初心者にも親しみやすい
ノンエイジ表記ながら、樽選定の妙でバランスの良い味わいを実現。ピート香を残しつつ、より親しみやすいスタイルを目指した現代的なラフロイグ。
ラフロイグ 18年
長期熟成の神髄
熟成による丸みを帯びたピート、ドライフルーツ
エレガントな複雑性、樽由来の甘み
長く続く満足感、上品なスモーク
18年の長期熟成により、ラフロイグの強烈な個性が洗練された複雑さへと昇華。愛好家垂涎の逸品として位置づけられる高級品。
ラフロイグ 25年
至高の逸品
30年以上熟成の原酒を厳選使用
極めて複雑で奥深い香味
生産量極少、入手困難
ラフロイグの最高峰。四半世紀を超える熟成により、アイラモルトの概念を超越した芸術的な仕上がり。コレクター垂涎の究極品。
ラフロイグ ロア
現代的解釈
48% – 高めのアルコール度数
よりインテンスな味わい体験
ラフロイグの本質をより強く表現
2022年に登場した比較的新しいエクスプレッション。48%の高アルコール度数により、ラフロイグの特徴をより濃縮して体験できる現代的な解釈。
味わいの特徴分析
香りの特徴
極強
極強
強
中強
味わいの構造
最強
高
良
低
「好きになるか、嫌いになるか」
ラフロイグは昔から「好きになるか、嫌いになるかのどちらか」と評されてきました。この強烈な二極化こそが、シングルモルトウイスキーが世界的な人気となるほどに人々を魅了してきた理由なのです。薬品を思わせるヨード様の独特な香り、オイリーで濃厚な味わい、やや塩っぽくてドライな後味といった強烈な個性が、真のウイスキー愛好家を虜にし続けています。
おすすめの飲み方
ストレート
ラフロイグの真の個性を体験するには、まずストレートで。強烈な第一印象から、徐々に現れる複雑な味わいの層を楽しめます。
ロック
氷により少し角が取れ、より親しみやすい味わいに。温度変化により香りの変化も楽しめる、バランスの良い飲み方。
ハイボール
炭酸により香りが立ち上がり、ピートの香りを存分に楽しめます。スモーキーハイボールの代表格として人気。
SEOキーワード
アイラモルト
英国王室御用達
ピート香
ヨード香
薬品様香味
スコッチウイスキー
ジョンストン兄弟
フロアモルティング
ウイスキー銘柄
アイラの王の真髄
ラフロイグは単なるウイスキーではありません。209年の歴史、英国王室の認定、そして「好きになるか嫌いになるか」という強烈な個性。これら全てが組み合わさって生まれる、唯一無二の体験なのです。アイラ島の厳しい自然環境と伝統的な製法が生み出す、まさに「アイラの王」にふさわしい威厳と気品を持った、真のウイスキー愛好家のためのシングルモルトです。