|

ワイルドターキー銘柄図鑑 【ケンタッキーバーボン】






ワイルドターキー:野生の魂を宿す101プルーフの伝説 – 蒸留所紀行




ワイルドターキー

野生の魂を宿す101プルーフの伝説

101 PROOF – 50.5% ABV

1855年創業、ケンタッキー州ローレンスバーグで受け継がれるジミー・ラッセル70年の職人技


ワイルドターキーとは

ワイルドターキー(Wild Turkey)は、アメリカ・ケンタッキー州で生産されるバーボンウイスキーの代表格です。1855年の創業以来、野生的で力強い味わいと101プルーフ(50.5%)の高いアルコール度数で知られ、「バーボンの野生児」として世界中のウイスキー愛好家に愛され続けています。

創業年

1855年

生産地

ケンタッキー州
ローレンスバーグ

アルコール度数

50.5%
(101 Proof)

特徴

野生的で
力強い味わい

ワイルドターキー蒸留所とジミー・ラッセル


ブランドの哲学

「真のバーボンは、人工的な調整ではなく、自然の力と職人の技によって生み出される。我々は原酒の持つ野生的な魅力を最大限に引き出すことに注力している。」

– ジミー・ラッセル(マスターディスティラー)


歴史と伝統

1855年 – オースティン・ニコルズ社創業

コーヒー、紅茶、酒類の卸売業として、オースティン・ニコルズ社がニューヨークで創業。後にワイルドターキーの生みの親となる企業の始まり。

1869年 – リッピー蒸留所設立

トーマス・リッピーにより、ケンタッキー州ローレンスバーグのワイルドターキーヒルに蒸留所が設立。現在のワイルドターキー蒸留所の前身となる。

1940年代 – 「ワイルドターキー」誕生

オースティン・ニコルズ社の重役トーマス・マッカーシーが、七面鳥狩りの際に101プルーフのバーボンを仲間に振舞ったところ好評を博し、「ワイルドターキー」の名前が誕生。

1954年 – ジミー・ラッセル入社

後に「バーボンの仏陀」と呼ばれるジミー・ラッセルが蒸留所に入社。以来70年間にわたり、ワイルドターキーの品質を守り続ける伝説のマスターディスティラー。

1970年 – 本格的なブランド展開

オースティン・ニコルズ社がローレンスバーグの蒸留所を買収し、ワイルドターキーブランドとしての本格的な製造・販売を開始。

現在 – 3代に渡る職人の系譜

ジミー・ラッセルから息子のエディ・ラッセル、さらに孫のブルース・ラッセルへと受け継がれる職人の技。family-owned distilleryとしての誇りを胸に、伝統と革新を両立させている。

ジミー・ラッセル マスターディスティラー
ジミー・ラッセル・ビジターセンター


ジミー・ラッセル – 伝説のマスターディスティラー

70年間の偉業

ジミー・ラッセル(Jimmy Russell)は、1954年にワイルドターキー蒸留所に入社して以来、70年間にわたって同社のマスターディスティラーを務める業界の生きる伝説です。「バーボンの仏陀(Buddha of Bourbon)」の愛称で親しまれ、その卓越した技術と一貫した品質へのこだわりで、ワイルドターキーを世界的ブランドに押し上げました。

職人の哲学

ラッセルは「本物のバーボンに近道はない」という信念を持ち、伝統的な製法を重視しながらも、時代に応じた革新を恐れません。101プルーフでのボトリングにこだわり続けるのも、原酒の持つ本来の魅力を損なわせたくないという彼の強い意志の表れです。


主な功績

  • • 70年間の連続勤務(業界最長記録)
  • • ケンタッキー・バーボン・ホール・オブ・フェーム殿堂入り
  • • ウイスキー・マガジン「アイコン・オブ・ウイスキー」受賞
  • • 息子エディ、孫ブルースへの技術継承

ジミー・ラッセル70周年記念


ジミーの言葉

「70年間この仕事を続けてこられたのは、ウイスキー作りが単なる仕事ではなく、情熱だからです。毎日が新しい発見であり、完璧なバーボンを作るための挑戦なのです。」


101プルーフの哲学

高アルコール度数へのこだわり

ワイルドターキーの最大の特徴は、101プルーフ(50.5%)という高いアルコール度数です。多くのバーボンが40%前後でボトリングされる中、ワイルドターキーは原酒の魅力を最大限に引き出すため、加水調整を最小限に抑えています。

野生的な味わいの源

この高いアルコール度数により、バニラやキャラメルの甘味、オークのスパイシーさ、そして果実の豊かな香りがより鮮明に感じられます。一口目の力強いインパクトから、徐々に現れる複雑な層構造まで、ワイルドターキーならではの野生的な魅力を体験できます。


製造工程でのこだわり

  • • 樽詰め時:107プルーフ(53.5%)
  • • 蒸留時:130プルーフ(65%)以下
  • • 低い樽詰めプルーフによる繊細な風味保持
  • • ヘビーチャー(強度の焦がし)樽使用


101プルーフ テイスティングプロファイル

香り

濃厚なバニラ、キャラメル、焼きたてのオークの香ばしさ

味わい

力強い果実の甘味、スパイシーなライ麦、ダークチョコレートのビター

フィニッシュ

長く続く温かな余韻、オーク由来のタンニンとスパイス


おすすめの楽しみ方

  • ストレート: 101プルーフの真価を味わう
  • ロック: 氷で少し和らげて複雑さを楽しむ
  • ハイボール: 力強さを活かした濃いめの割り方
  • カクテル: オールドファッションドやマンハッタン


商品ラインナップ

ワイルドターキー スタンダード

度数: 40.5%

熟成: NAS(ノン・エイジ・ステートメント)

価格帯: 2,500円~3,000円

テイスティングノート

香り: ライトなバニラ、穀物の甘み

味わい: マイルドなスパイス、ほのかな果実味

余韻: 短めで軽やか

特徴: 入門者向けのバランスの良い味わい

フラッグシップ

ワイルドターキー 8年

度数: 50.5%(101プルーフ)

熟成: 8年以上

価格帯: 3,500円~4,500円

テイスティングノート

香り: 濃厚なバニラ、キャラメル、オークの香ばしさ

味わい: 力強い果実の甘味、スパイシーなライ麦

余韻: 長く続く温かな余韻

特徴: ワイルドターキーの真骨頂を味わえる代表作

ワイルドターキー 12年

度数: 50.5%(101プルーフ)

熟成: 12年

価格帯: 8,000円~12,000円

テイスティングノート

香り: 深いバニラ、ドライフルーツ、レザーの複雑さ

味わい: リッチで濃厚、ダークチョコレートとスパイス

余韻: 非常に長く複雑な余韻

特徴: 長期熟成による洗練された贅沢な味わい

プレミアム

ワイルドターキー レアブリード

度数: 58.4%(116.8プルーフ)

熟成: 6年・8年・12年ブレンド

価格帯: 6,000円~8,000円

テイスティングノート

香り: 強烈なバニラ、カラメル、焼きオークの爆発的な香り

味わい: フルボディで濃厚、ハチミツとスパイスの調和

余韻: 極めて長く力強い余韻

特徴: 加水なしの樽出し原酒ブレンド、究極の野生感

ワイルドターキー ケンタッキースピリット

度数: 50.5%(101プルーフ)

熟成: NAS

価格帯: 4,000円~5,000円

テイスティングノート

香り: フルーティーなバニラ、シナモン、ナッツ

味わい: バランスの良いスイートさとスパイス

余韻: ミディアムで心地よい

特徴: 日本市場限定、親しみやすい味わい

ワイルドターキー ライ

度数: 50.5%(101プルーフ)

熟成: NAS

価格帯: 5,000円~6,500円

テイスティングノート

香り: スパイシーなライ麦、ブラックペッパー、柑橘

味わい: 強烈なスパイス感、トロピカルフルーツ

余韻: スパイシーで刺激的

特徴: ライ麦70%使用のライウイスキー、独特のスパイシーさ


世界的評価と受賞歴

主要な受賞歴

IWSC 金賞(2011年)

ワイルドターキー 8年

SWSC 銀賞(2013年)

ワイルドターキー 8年

TWSC 金賞(2023年)

ワイルドターキー レアブリード

ケンタッキー・バーボン・ホール・オブ・フェーム

ジミー・ラッセル殿堂入り

業界での評価

ワイルドターキーは、その一貫した品質と独特の個性により、世界中のウイスキー愛好家から高い評価を受けています。特に101プルーフという高いアルコール度数を維持しながらも、飲みやすさと複雑さを両立させている点が専門家から賞賛されています。

販売実績と人気度

販売国数

80+

世界80ヶ国以上で販売

市場シェア

TOP 5

バーボン市場でトップ5


愛好家からの評価

• 「101プルーフの力強さが癖になる」

• 「コストパフォーマンスが優秀」

• 「ハイボールにすると真価を発揮」

• 「ジミー・ラッセルの職人技を感じる」

• 「アメリカンウイスキーの王道」


専門誌評価

  • • ウイスキー・マガジン: 90/100点
  • • ジム・マーレー: 88/100点
  • • 酒類業界誌: 「バーボンの傑作」


蒸留所見学とバーボントレイル

ワイルドターキー蒸留所


基本情報

  • 住所: 1525 Tyrone Rd, Lawrenceburg, KY 40342
  • 電話: +1 502-839-4544
  • 営業時間: 9:00-16:00(月-土)
  • 日曜: 11:00-15:00(4-11月のみ)

見学ツアー

Production Tour($25)

発酵・蒸留工程と熟成庫を巡る基本ツアー

Born from the Barrel – Russell’s Reserve Tour

ラッセル家の歴史とプレミアムラインの特別ツアー

ジミー・ラッセル・ビジターセンター

2024年新設の最新施設で、インタラクティブな体験が可能

アクセスと周辺情報


アクセス方法

  • レキシントンから: 車で約30分
  • ルイビルから: 車で約50分
  • フランクフォートから: 車で約25分

ケンタッキー・バーボントレイル

ワイルドターキー蒸留所は、ケンタッキー・バーボントレイルの重要なランドマークの一つです。他の蒸留所と合わせて巡ることで、バーボンの多様性と奥深さを体験できます。


おすすめ周辺蒸留所

  • フォア・ローゼス: 車で15分
  • ウッドフォード・リザーブ: 車で20分
  • バッファロー・トレース: 車で30分


ワイルドターキーの魅力

野生的な力強さ

101プルーフの高いアルコール度数が生み出す、他にはない野生的で男性的な味わい。原酒の魅力を最大限に引き出したバーボンの真髄。

職人の技と伝統

ジミー・ラッセル70年間の職人技と、3代に渡る技術継承。変わらぬ品質へのこだわりが生み出す信頼と安心感。

優れたコスパ

高品質でありながら手頃な価格設定。バーボン入門から愛好家まで、幅広い層に愛される理由の一つ。


最後に

ワイルドターキーは単なるウイスキーではありません。それは170年以上にわたって受け継がれてきたアメリカンスピリッツの象徴であり、職人の誇りと情熱が込められた芸術作品です。一口飲めば、ケンタッキーの大地とジミー・ラッセルの技、そして野生の魂を感じることができるでしょう。

「真のバーボンに近道はない」- ジミー・ラッセル


SEOキーワード

ワイルドターキー,ケンタッキーバーボン,101プルーフ,ジミーラッセル,マスターディスティラー,高アルコール度数,レアブリード,ローレンスバーグ,野生的バーボン,アメリカンウイスキー

蒸留所紀行

世界各地の蒸留所とウイスキーの魅力をお届けします



© 2024 蒸留所紀行 All Rights Reserved.


類似投稿

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です