ブラックニッカ 銘柄図鑑 【ブレンデッドウイスキー】
ブラックニッカ
竹鶴政孝が託した大衆のためのウイスキー
大衆のウイスキーという理想
1956年、ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝は「ひとりでも多くの人においしいウイスキーを飲んでほしい」という強い想いから、大衆向けのブレンデッドウイスキー「ブラックニッカ」を誕生させました。
高級ウイスキーが主流だった当時、手頃な価格で本格的な味わいを提供するという革新的なコンセプトは、日本のウイスキー文化を大きく変える転機となりました。
「美味しいウイスキーを、より多くの人に」
竹鶴政孝の理念

ブラックニッカ クリア
ブラックニッカの歴史
1956年 – 初代ブラックニッカ誕生
特級ウイスキーとして発売。竹鶴政孝自ら考案した『ニッカエンブレム』を採用。当時はモルトウイスキーにイミテーションウイスキーをブレンドした製品でしたが、本格的な味わいを追求。
1963年 – カフェ式蒸留器導入
資金面や技術面の困難を乗り越え、念願のカフェ式連続式蒸留機を導入。これにより、カフェグレーンを使用した竹鶴氏渾身のブレンデッドウイスキーが実現。
1965年 – 新ブラックニッカ
カフェグレーンの本格使用により、より洗練された味わいを実現。大衆向けでありながら高品質なウイスキーとして評価を確立。
現代 – 多彩なラインナップ展開
クリア、スペシャル、ディープブレンド、リッチブレンドなど、多様な味わいのバリエーションを展開。それぞれが異なる個性を持ちながら、ブラックニッカの DNA を継承。
ブラックニッカ ラインナップ
ブラックニッカ クリア
手頃な価格
ノンピートモルトを使用し、軽やかでスッキリとした味わい。飲みやすさを追求した、ブラックニッカシリーズのエントリーモデル。
テイスティングノート
香り:やわらかな香り、クセが少ない
味わい:すっきりした味わい、軽やか
ブラックニッカ スペシャル
約1,500円
バランスの取れた味わいで、クセが少ないためウイスキー初心者にもおすすめ。スコッチに似た味わいで、ほんのりビターな大人の風味。
テイスティングノート
香り:甘くビターな香り
味わい:バランス良好、スコッチ様
ブラックニッカ ディープブレンド
約2,900円
新樽で熟成させたモルトの甘い芳香と樽のウッディな香り。ふくよかで濃密な味わいの後、ほのかなピートの香りとほろ苦い余韻。
テイスティングノート
香り:甘い芳香、ウッディ
味わい:ふくよか濃密、ほのかなピート
ブラックニッカ リッチブレンド
上級グレード
シェリー樽熟成のモルトをキーモルトとし、華やかな香りとコクが特徴。キーモルトにシェリー樽原酒を使用し、カフェグレーンもブレンド。
テイスティングノート
香り:華やかな香り、シェリー樽
味わい:コクと深み、果実の甘み
カフェグレーンの革新
カフェ式連続式蒸留機とは
1826年にロバート・スタインが発明し、イーニアス・カフェが改良した連続式蒸留機。一般的なグレーンウイスキーに比べ、原料由来の豊かな風味とスムースな口当たりを実現します。
竹鶴政孝は1963年、当時でも旧式だった英国ブレア社製のカフェ式連続式蒸留機を日本で初めて導入。これにより、ブラックニッカの特徴的な味わいが生まれました。
カフェグレーンの特徴
-
豊かな風味の保持 -
スムースな口当たり -
香ばしく軽やかな香り -
ブレンドでの調和性
ブラックニッカの楽しみ方
ストレート
ブラックニッカ本来の味わいを楽しむなら、まずはストレートで。特にスペシャル以上のグレードがおすすめです。
オン・ザ・ロック
氷が溶けることで徐々に変化する味わいを楽しめます。ディープブレンドやリッチブレンドに最適。
ハイボール
最も親しまれている飲み方。クリアは特にハイボールに適しており、爽快な味わいが楽しめます。
おすすめペアリング
クリア・スペシャル
軽い食事、唐揚げ、焼鳥、チーズ
ディープ・リッチブレンド
ステーキ、チョコレート、ナッツ類
受け継がれる理念
ブラックニッカは誕生から約70年を経た現在も、竹鶴政孝の「ひとりでも多くの人においしいウイスキーを飲んでほしい」という理念を受け継いでいます。
手頃な価格でありながら本格的な味わいを提供し続けるブラックニッカは、日本のウイスキー文化の民主化に大きく貢献してきました。角瓶と並んで「庶民のウイスキー」として愛され続けています。
ブラックニッカが築いた価値
- 高品質なウイスキーの大衆化
- カフェグレーンの本格活用
- 多様な味わいのラインナップ展開
- 日本のウイスキー文化の発展への貢献
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